今年(2008年)春 千葉の三省堂書店で
「ローカル線ガールズ」(メディアファクトリー)なる本を発見しました。
著者は「嶋田郁美」さん
福井県は「えちぜん鉄道」のアテンダントさんです。
早速この本を購入し じっくり読んでみました。
運転休止中だった京福電鉄を引き継ぐかたちで
生まれ変わった「えちぜん鉄道」
京福時代より運賃を下げたり 割安な企画きっぷを発売したり
パーク&ライドを取り入れるなど
様々なかたちでの地域密着サービスが取り入れられました。
日本のローカル線では初めてとなる「アテンダント」乗務も
地域密着サービスの一つとして採用、
嶋田さんはその一期生として活躍されており
「全国で初めて」の仕事に戸惑いながらも
チームワークで困難を乗り越え
仲間や乗客の皆さんに支えられて
仕事を楽しんでいる・・・
読むほどに 嶋田さんの仕事に対する真剣さ 熱意 愛着
そして「えちぜん鉄道」と「乗客」を大切に思う気持ちが伝わって
読みいってしまいました。
5月24日(土)
ウチの嫁さんが 友人の結婚式で出かけるので
その間自分はゆっくり鉄道撮影に出かけようと思い
23日(金)夜行急行「能登」(489系電車)で
北陸方面に出かけました。
お目当ては 急行「能登」や485系特急「雷鳥」など
数少なくなった国鉄型電車の撮影だったわけですが
このとき ふと「えちぜん鉄道」が気になり
乗りに行くことにしました。
知らぬ間に高架になったJR福井駅を出ると
「えちぜん鉄道」の小さな駅がありました。
温泉のある「三国港」まで切符を買おうとすると
窓口の方が
「今日は一日乗車券があるので往復電車ならそのほうがオトクですよ」
と教えてくださった。
とても親切な鉄道だなと思いました。
「三国芦原線」の電車に乗り込むと
噂どおり アテンダントさんが乗務しており
乗客に細やかなサービスをしてくださっています。
「清水」さんというアテンダントさんから
沿線案内パンフレット「沿線GUIDE」を購入しました。
「他の鉄道ではただでもらえるのに有料ですいません」
とのことだったが
こういうパンフレットもコストがかかっているのだし
エコのためにも有料でいいと思う。
50円ならそれほど高くもないですよね?
終点「三国港」で駅周辺を散策
パンフレットにもあった「三国温泉ゆあぽーと」で
日本海を眺めながら湯に浸かり
駅に戻りました。
そしたら なんという偶然か
帰りの電車のアテンダントさんが
「嶋田郁美」さんではないですか!!
私は「ローカル線ガールズ」をかばんから取り出し
写真と見比べました。間違いなくご本人でした。
電車が発車すると、嶋田さんは
観光客には観光案内、福井駅での乗り継ぎ時間などを説明し
常連客と会話を交わし
お年寄りの乗り降りには手を差し伸べ・・・と
てきぱきと しかも丁寧に仕事をされていました。
著書のイメージどおりの方でした。
しばらくすると わたしの向かいに座っていた常連客らしいオジサンが
わたしが手に「ローカル線ガールズ」を持っていることに気づき
「嶋田さん ほら」と彼女に声をかけ わたしの方を指差しました。
嶋田さんは私のほうを見、少し驚いた様子で
「あら!? ありがとうございます!!」
と笑顔で話しかけてくださいました。
会話の中で 著書に感動したことをお伝えすると
すこし照れたご様子。
常連のお客さんも交えて
楽しい車内でのひとときを過ごさせていただきました。
「千葉からいらしたんですか?
お時間があれば勝山・永平寺線にもぜひいらしてください」
そんな会話をしつつ 福井駅に到着。
なんだかとても温かな気分で福井を後にしました。
また えちぜん鉄道に乗りに来よう
今度は折りたたみ自転車を持参して
三国港や あわら湯のまち を散策してみよう
今度はぜひ 「勝山・永平寺線」にも乗ってみよう
そんなことを思いつつ
JR特急「サンダーバード」に揺られながら
次の目的地 富山 に向かいました。
えちぜん鉄道は
旧型電車がゴトゴト走る
風情のある鉄道。
そして
人と人との温もりを大切にした
地域に密着した素晴らしい鉄道です。
みなさんもぜひ 乗りに行ってみてください。
明るく親切なアテンダントさんや駅員さん
そして気さくな運転手さんに
出会うことが出来ます。
なお ご乗車の前にぜひ 「ローカル線ガールズ」を
ご一読されることをオススメします。
「ローカル線ガールズ」
嶋田郁美 著
メディアファクトリー
ISBN978−4−8401−2125−5 C0065
¥952E(税抜き952円・2008年6月現在)